地形図とその等高線とから、厚みのある板要素を等高線で切り出し、それを重ねて立体地図を作る教育用教材があります。棚田や段々畑は、結果的にそのような造成になった人工地形です。地図は平面図形ですが、高さを板密度の違いと置き換えて考えると、平面としての重心位置は、全体の外形図形の重心と同じになりません。或る図形の内側に島状の別の図形があるとき、これが密度違いの図形であるか、穴(密度0)であるか、の属性が必要です。上から見たのでは判らないオーバーハングや空洞を含めて重心を計算するためには、見えない図形も含めて換算の密度を持った平面図形の集合を扱います。具体的には、鉄筋または鋼とコンクリートとの合成で構成する部材の計算に現れます。密度違いは、鋼とコンクリートのヤング率(弾性係数)の比をパラメータにします。計算上のテクニックとしては、密度違いの二つの図形を扱うとき、下地の上に別の図形を載せる足し算の考え方を使い、載せる側の図形の密度を、下地の密度を引いて使います。そうすると、下地の方を穴図形として計算する手間を省くことができます。穴図形は、引き算に使いますが、(-1)の密度の図形を足し算することと考えることができます。この計算は、上で説明した干渉処理と同じに扱うことはできません。
2009.6 橋梁&都市PROJECT |