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18. 平面図形諸量の合成

18.1 図形構成の手順


18.1.1 平面図形の合成は4種類の基本図形を準備すれば足りること

図18.1 基本図形から形状を構成する予備作業の例
 実務で形状設計をするときの予備作業は、全体形状を小単位の形状の集合で構成します。部分的に形状や寸法を変更すれば済むようにして、全体を一から変更するような手戻り作業を避けます。小単位の形状を扱うとき、平面図形の場合にはその外形を包む矩形の寸法をキーにします。構造物の柱や梁の断面形状には、I形、T形、孔空きの矩形などの単純な形状を良く使います。デザインハンドブックなどには、これら形状の諸量の計算公式もありますが、実際計算に使うことは殆どありません。これらの形状は、矩形を組み合わせて計算します。どこで切って小単位の矩形を組み合わせるかは、元の問題との関連で決めますので、必ずしも計算式が指定している寸法の与え方と同じにはならないからです。小単位の断面形として使う頻度の高い形状は、矩形・直角三角形・4分円(楕円)です。曲線を持つ形状には片側放物線までが扱い易く、高度な関数形状、例えば三角関数など、を使うことはありません。矩形以外の部分形状は、矩形の角を丸める要素です(表18.1参照)。三角形の斜辺は角度を持って相手側の辺に交わり、4分円は二辺に接し、放物線は、一辺に接し他の辺と角度を持つ図形要素です。つまり4種類の基本形状を考えれば、これらを拡大・縮小・回転させて組み合わせれば、殆どの実用的な形状を構成することができます(図18.1)。
2009.6 橋梁&都市PROJECT

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