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17. 図形の諸量

17.3 計算式の整理


17.3.4 式を利用するときは、頂点の並び順を考える

 前ページに上げた式17.3を数値計算するとき、実は、面積と体積に符号を決める約束が必要です。平面図形であれば、図形を左周りに回る周回積分の順で面積を三角形の外積(ベクトル積)で計算する約束ですので、右回りは負の面積になり、穴の面積を計算することができます。立体的な位置関係にある平面図形の場合は、面のどちらを表(おもて)とするかの約束が必要です。立体的な位置関係にある場合のベクトル積は、面積がその面に垂直な向きのベクトル成分ですので、ベクトルの向きが、表の面から、見ている側に向かうベクトルの場合を正の面積とします。立体的な位置関係にある三角形の場合には、表を見る状態で頂点番号を左周りになる順と約束します。三角錐の体積は、底面積×高さ÷3です。三角柱の体積計算が正になるためには、高さの位置にくる頂点は、底面三角形の裏になる位置になければなりません。四面体の体積計算に使う頂点座標の並びは、この条件になるようにします。式17.3では、頂点番号1を出発点として、頂点(2,3,4)方向を向く三つのベクトルが「右手系の位置関係にある」とする約束にします。これは三角錐を頂点側から見たとき、底面の頂点番号の並び順を右回りに選ぶ順です。頂点番号(1,2,3,4)の並び順で、任意の二つの番号を入れ替えるごとに符号が反転します。頂点番号の並び順の組み合わせは16通りありますので、代数式を機械的に代入する前に、トポロジー的な判定が必要です。
2009.5 橋梁&都市PROJECT

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