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16. 長さと面積

16.4 主軸と主軸変換の線形代数


16.4.1 非対称な断面は横にも曲がること

図16.9 不等辺山形鋼の主軸
 左右対称に製作された梁に、鉛直面内の曲げモーメントを作用させると、曲げモーメントの作用面内で曲げ変形が起こり、横方向に膨らむ変形も捩れも起きません。鉛直方向の荷重を、断面の重心を通る中心線状に作用させても同じ性質があります。ただし、重心からずれて作用する荷重は捩れモーメントが働きますので、梁の両端で曲げモーメントを作用させるとした思考実験を考えることにします。捩れを含む応力と変形の課題は、構造物の解析をするときの難問の一つですので、計算幾何学では考えない(捨象する)ことにします。非対称の断面形、例えば、鋼材の不等辺山形鋼のような部材を曲げると、横方向に膨らむ曲げ変形が出ます。曲げモーメントが作用するその面内で、曲げ変形も起きるようにするには、不等辺山形鋼を、或る角度だけ回転させて使います。この角度の向きを、主軸と言います(図16.9)。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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