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16. 長さと面積

16.3 面積に関連した問題


16.3.5 三角形に分割して合成する

図16.8 a,b 直角三角形への分割
 構造物の設計、それも橋梁のように大きな荷重に耐えるように部材を提案する場合には、構造計算が必須です。そして、強度を確認するために断面積や断面二次モーメントの計算が必要です。コンピュータが利用できなかった時代、複雑な断面形状をデザインすると断面計算に大きな労力が掛かりますので、なるべく単純な図形の集合で形状デザインをしました。最も基本的な平面形状は三角形と四角形ですが、それらの辺を座標軸に平行に置くようにしました。例えば、任意の向きの三角形は、補助線を座標軸と平行に引いて直角三角形の集合に分けます。図16.8aは、矩形から三つの直角三角形を引きます。図16.8bは、4つの直角三角形に分けますが、一つは引き算用です。断面積・断面二次モーメントの実用計算式は、直角三角形と矩形の場合を公式化して応用します。三角形の3頂点の座標からこれらの諸量を計算したいとして、代数式を提案できないこともないのですが、込み入った式になります。この計算式にベクトルを応用すると、簡単な計算式を提案することができます(島田、CAD・CGのための基礎数学、p208、共立出版、2000)。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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