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16. 長さと面積

16.3 面積に関連した問題


16.3.2 重さを測って面積を求める方法もある

図16.7 はめ込みパズル
 面積の計算を、幾何学的な原理以外で測定する方法もあります。複雑な図形を均質な薄い紙、またはプラスチック板や鉄板に描いて、それを切り抜き、天秤で精密に重量を測り、単位面積の重量と比較すると面積が得られます。用紙類の材料種類を言うとき、寸法のほかに単位面積当たりの重量がカタログに載っていることは、あまり知られていません。この情報から、どれだけの材料を準備すればよいかの見当が付きます。これがテンプレート(型板)の副次的な利用です。精密天秤は、非常に精度の高い計測装置ですので、学校の理科教室などでないと使えませんが、料理や郵便物の重量を測る小型の重量計ならば文房具として手軽に使うことができます。例えば、日本地図で、県別に面積のあらましを求めたいとき、このような知恵を利用します。子供服やご婦人の洋服などを手作業で縫うことが普通であった頃は、婦人雑誌に型紙の付録が付いていました。どれだけの寸法の素材を購入すればよいかも、これで分かりました。定尺の材料から所定の形状を切り出すと、無駄な部分、つまり端切れがでます。これを少なくするようにすることに工夫が必要です。幾何学では、空間をなるべく隙間が最小になるように埋める図形の問題は、タイル貼りの課題で扱われます。はめ絵パズルとしての商品もあって、デパートなどのオモチャのコーナーで売られています(例えば図16.7)。
2009.4 橋梁&都市PROJECT

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