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15. 隠れ面と隠れ線処理

15.4 Zバッファー法


15.4.1 視点位置からの奥行きを調べる

図15.4 Zバッファー法による隠れ面処理(竹村)  一般的な三次元形状を隠れ線処理で、投影図(中心投影と平行投影とも)を作成するときは、曲面を持つ場合であっても、原則としてその形状を多面体モデルで近似します。図15.4のような立体的な曲面モデルでは、曲面を小単位の四辺形の集合として近似する方法を応用します。この立体図形(トーラス)の形状は数式で与えますので、四辺形を構成する4頂点の座標が一平面に載っている条件を満たしています。この四辺形単位で、番号を割り振って4頂点の番号と、視点からこの四辺形までの(奥行き)距離とを保存するバッファーを、作図用データとして作成しておきます。グラフィックス画面の座標の記号に(x,y)を使うと、奥行き距離は画面に垂直な方向になることから、奥行き距離をz座標に見立て、奥行き距離を保存するバッファーを、通称でZバッファーと言います。この奥行き距離の遠い順に、四辺形データを並べ変えます。そうしておいて、この順で四辺形を塗りつぶしの技法で作図していきます。そうすると、ハードウエア的に隠れ面処理の作図が得られます。このとき、面の裏表の区別をする必要がありません。特定の個所の四辺形について作図をしないと、その個所を穴あきとみなすことになりますので、その穴から中を覗くような作図を得ることができます。
2009.3 橋梁&都市PROJECT

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