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15. 隠れ面と隠れ線処理

15.3 関数図形の隠れ線処理


15.3.3 マスク領域の図形データを使用する

図15.2 マスク領域の外側を作図してマスク領域に加えていく
 前ページ図15.1の二変数の関数で表される曲面は、左下から右上に連続した一方向の曲線の集合で作図してあります。この曲面の幾何モデルは、個別の曲線の外形を持った切り紙の集合を縦おきにして、右下から左上に並べた切り紙構造を考えておいて、それを隠れ線の技法を使って透視図に作図します。立体的に見ると、手前側の切り紙の集合が、それより奥の切り紙を部分的に隠します。ただし、全体は一つの曲面に見えますが、表側の形状だけでなく、部分的に曲面の裏も見えるように作図しています。この作図に使う補助的なマスク図形のデータを二組、別に用意しておきます。マスク図形とは、切り紙単位を視点の手前側から作図するとき、既に描かれている切り紙図形全体の外形です。この全体をマスク領域とし、次に描く切り紙のうち、この図形の外側に見える部分だけを作図し、その形状をマスク図形に追加します。この作図方法の途中経過を図15.2に示します。マスク図形は、作図領域を左から右に横断する、高さを変化させる曲線(折れ線)データであって、バッファーに保存します。幾何学的には、切り紙の外形線とマスク用曲線との交点を計算します。曲線は適当な間隔の折れ線データで準備しますが、分割間隔を細かくすれば、滑らかな曲面に見えます。
2009.3 橋梁&都市PROJECT

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