透視図は、立体図形を中心投影で平面的な図形に描いたものです。立体図形をモデル化するときは、複雑な曲面であってもすべて多面体として扱い、多面体を構成する面ごとに二次元の射影変換で変換します。その変換図形の総合を一つの画面に表して、元の多面体の立体的な構造を感覚的に理解します。したがって、元の立体構造の凹凸を誤って理解する錯視も起こります。多面体を透視図に作成するとき、原理的には、カメラの視軸方向に三次元の射影変換で変形させておいて、視軸方向から見た平行投影図を求めます。複雑な形状の多面体で、面が前後に入り組んでいるときは、平行投影図で辺が交わる個所で、どちらの面が手前側であるかの奥行きの判定をして、隠れ線の計算を必要とします。透視図を作成するとき、視点からの奥行き距離は、視軸からずれた個所では斜めの向きで測らなければなりません。視軸に平行な向きで奥行き距離を比較するには、三次元射影変換で変形させた多面体を求めておいて、変換された面の面方程式を求めます。GEOMAPの多面体のデータ構造は、面のリストセルに平面を表す面方程式のパラメータを保存してありますので、これに三次元の射影変換をさせます。
2009.2 橋梁&都市PROJECT |