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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.3 幾何モデルで使うリストセル


10.3.2 頂点・辺・面ごとに個別のリストセルを設計する

 リストセルを活用する場合、その中身の構成セルの長さと、そこに保存するデータ型に約束を必要とします。頂点用は、少なくとも頂点座標用に3個の実数を持たせます。辺は、その両端点の頂点番号を必要としますので、辺セルは頂点セルのポインタと、その辺で接続する面(または領域)のリストセルのポインタを記録します。このポインタは、リストセルの配列位置の添え字を使いますので整数です。これに2バイトの符号なし整数の型を使うと、利用できる最大整数値は64Kです。したがって、リストセルの配列の個数が64Kを超える複雑な幾何モデル用には使えません。リストセル全体のメモリ上の寸法は2Mバイト(単精度実数を使う場合)です。教育用に使うバージョンではこれで十分ですが、複雑な幾何モデルを扱うときは不足します。このため、ポインタ保存用整数に4バイト型を使うバージョンを別に準備しています。リストセルは用途別に中身のセルの仕様が異なる使い方をしますので、何用であるかの識別情報(category)を含ませます。これが、リストセルの型番号です。リストセルには、この他に多くの情報を含ませますので、用途別にセルの使い方を定めます。これはプログラミングでは構造体として構成を宣言します。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

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