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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.3 幾何モデルで使うリストセル


10.3.1 オイラーの多面体公式を踏まえる

 立体的な形状を表す幾何モデルは、多面体で定義します。幾何モデルの複雑さを表すパラメータとして、面の数(F)、辺の数(E)、頂点の数(V)を使います。プラトンの正多面体や準正多面体を扱う参考書にこれらの数が紹介されています。特殊な形状でない場合、これらの数の間には、下のオイラーの多面体公式があります。
       F+ V = E + 2        (10.1)
そこで、この数に合わせて、面・辺・頂点のデータを個別に保存するリストセルを準備し、幾何学的なデータとトポロジー的な関連を納め、リストセルの相互をポインタでつなぐ方法を考えます。そうすると、データを格納するリストセルの個数が少なくとも(F+V+E)必要です。直方体は6面体とも言いますが、F=6,V=8, E=12ですので、26セルを使います。この他に管理用のセルを多少追加しますので、30セルをメモリ内部で使います。これが、コンピュータ内部に構築する幾何モデルです。この内部データを正しい仕様で構築する処理に、動名詞の幾何モデリングを当てます。仮に直方体の100個分の複雑さを持つ多面体をモデリングするならば、約3000リストセルが扱える配列を準備しなければなりません。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

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