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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.2 リストの意味


10.2.6 型の違うデータ集合を扱うとき

 普通に二次元配列を宣言するとき、表の形で言えば縦・横に並べるデータは、同じ型(整数型・実数型など)とします。しかし、例えばEXCELの表画面では、横方向に型の種類の異なるデータを並べることができて、その行単位の構造で縦方向に並びます。個別の枠単位の入れ物をセル(cell)と言います。単純に扱うときは、縦に並ぶデータ集合単位で一次元の配列を割り当て、モニタに表示するときやプリントのときにレイアウトを工夫します。行単位で型の違うデータ集合を表す一つの方法が、C言語にある構造体(struct)の宣言です。構造体の中身は、型やバイト寸法の異なる変数を一続きにつないだ構造を単位とします。バイトの使い方が奇数であると、偶数バイトを使う切りの良い単位にするために、内部的に未使用の詰め物バイトを補うことがあります。同形式の構造体を複数使いたいとき、構造体を単位とした一次元の配列で宣言することができます。そのメモリ上の構造は、結果的に二次元の配列になっていますので、必要があれば、寸法を合わせた別の二次元配列を共用体宣言をすることができます。この構造体単位は、表一行分のセルの集合を指すことになりますので、この単位をリストセル(list cell)と言います。このリストセルを使って幾何モデルのデータを扱う方法を説明するのが、この章の目的です。前の2節は、少し前口舌が長くなりましたが、リストセルを理解する前の予備的な説明です。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

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