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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.1 文書にするときの書式


10.1.1 人が理解するためには文書にする

 平面図形、立体図形の形状を正しく別の人に伝える手段は、図と文書(図書:古くはずしょと読ませました)を使います。文書は、広い意味では図を含みますが、ここでは図を含めないとします。図は、説明や寸法が無いと情報が不足します。図に記入された文字や数値は、文書とは考えません。作図の立場から言えば、文字や数値は図形扱いをする記号に過ぎません。数字は一応、言語(日本語・英語など)の区別無しに理解できる表現のアラビア数字を使いますが、数字も、漢数字が別にあるように、言語に依存する表現があります。文字は言語に依存しますので、国際的な利用を考えるときは、図と文書とを明確に区別します。図を使わないで図形の形状を正しく伝えるためには、どのような文書形式を使うか、を考えてみます。すると、非常に簡単な幾何学的図形以外は、一般的な言い方が無いことが分かります。平面図形の三角形・矩形・正多角形・円などは、基本的で一般的な図形表現に使う用語です。これに、寸法情報を加えます。立体図形では、球体以外では上述の平面図形を底面とする柱体や錐体程度ならば、図なしでも正しい形状を文書の形で伝えることができます。人に代えるコンピュータにデータを伝える文書を考えるところから、データ構造について、人の方でも理解する文書の作り方を考えておく必要が出てきます。
2008.10 橋梁&都市PROJECT

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