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9. 図形の変換の数学

9.4 変形の合成


9.4.1 弾性体の変形で考える

 計算幾何学で扱う図形の変形は、弾性体の力学での変形との類似で理解します。応用力学の専門知識があれば、説明の最初の部分を端折ることができます。そうであっても、剪断変形を理解するところで、大きな関門があります。剪断変形は、単純な伸び縮みの変形とは異質であって、四角形が平行四辺形になる変形です。これは、伸び縮みの対を45度傾けた状態で起こる変形です。このときに、座標軸の向きを回転して考えますので、向きの理解が混乱します。そこで、伸び縮みの変形だけを取り上げて、結果的に剪断変形も扱うような変形の関係式を説明します。弾性体の変形では、力の釣り合い条件と関連を付ける変形の方の条件を適合条件と言います。仮想の力の作用を考えると、変形だけを取り上げる幾何学的な性質を説明するときに分かり易くなります。
2008.9 橋梁&都市PROJECT

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