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9. 図形の変換の数学

9.3 回転の分類


9.3.4 一回の回転操作で済ますことができる

 所定の向きに対象物を回転させるには、パン・スイング・ティルトの三操作の代わりに、或る空間軸を指定して一回の回転操作も約束できます(表9.2のコマンドPGROTA)。空間直線の方向を表すベクトルは3成分があり、ベクトルの大きさが回転角度を指定すると約束できますので、回転変換の種類数3に対応します。数学的な問題の一つは、この回転を表す3×3マトリックス要素を計算する式を提案することです。逆問題は、この回転を、このパン・スイング・ティルトの三成分で合成させたいとして、座標軸回りごとの角度を求める問題です。人の手は腕から先に幾つもの関節で連結されていて、それぞれに回転の向きが相対的に決まっています。手を使えば、任意の向きの回転を合成するように、関節が連携を持って運動します。このとき、関節ごとの回転を指示するのが回転成分を求めることです。人工的な作業用ロボットアームの制御を数学的に解析したいときに、この逆問題が表れます。
2008.9 橋梁&都市PROJECT

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