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9. 図形の変換の数学

9.3 回転の分類


9.3.2 回転の指定は理解が混乱すること

図9.1 6面体の置き方は24通りある(島田静雄:CAD・CGのための基礎数学、共立出版2000)
 
  さいころのような立方体を考えると、机の上で立方体を手に持って回転させるときの結果を、感覚的に捕らえることができます。或る状態を仮の正位置として、そこから、立方体の軸を回転軸として、90度単位で回転させて得られる結果は、全部で24通りあります(図9.1)。左上の状態を基本的な状態とし、目的の向きを持たせるように回転させるとします。これを代数的に指定する方法を考えます。その回転軸を、座標軸に選ぶとして、それを世界座標系で考えるか、立方体に付属する局所座標系とするかで、結果が変わります。また、どの座標軸順に回転させるかの順番が変わっても結果が異なります。最も理論的に考えるときは、世界座標系のx軸、y軸、z軸の順に回転軸を選びます。これをオイラー回転とも言います。この回転を頭の中だけで理解しようとなると混乱しますので、具体的には何かの箱を机の上において実験し、感覚的に納得します。図9.1で、隣り合う上下左右の位置関係が、どのような軸回りで、どのような順序で実行されるとそうなるかを判定して見て下さい。
2008.9 橋梁&都市PROJECT

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