図8.6 円柱表面にコントラストを付けた作図
曲面を持つ立体的な幾何モデルは、角を持つ多面体で近似します。これを単純に投影図に作成すると、のっぺらぼうな平面図形になって立体感が分かり難くなります。そこで、元の立体図の段階で、光源方向と面との相対的な傾きを入れてコントラストレベルを設定しておきます。このレベルに対応させて、濃淡図では色やコントラストレベルを変えて作図させます。線図でコントラストを表すときは、ハッチングの線間隔の粗密でコントラストレベルを区別させます。図8.6は、右上に光源があるような陰を付けてあります。標準的な陰影の付け方は、人の見る向きに対して、光源の位置を後ろ左上に考えます。写真撮影のときに逆光の向きを避けます。これは野外の景色を見るとき、午後の太陽の位置で北向きになると覚えると良いでしょう。なお、陰影と一言で言いますが、陰と影とは別の概念です。英語でもshadeとshadowとを区別します。
2008.8 橋梁&都市PROJECT |