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8. 二直線の交点計算と応用

8.3 平面図形の干渉処理


8.3.1 ベン図の処理を行わせる

図8.3 平面図形の干渉処理の例題
 線分の交差判定を使った例題として、平面図形の幾何モデルの干渉処理を、図8.3に示します。二つの切り紙モデルを使う干渉処理は、分かり易い言葉で言えば「足し算・引き算・掛け算」と、「重ね合わせ」の4種類が基本です。論理演算の説明に使うベン図(Venn,1834-1923)を考えるとよいでしょう。GEOMAPのコマンド名は、前の三つがRUNI,RSUB,RINTとして用意してあります。この処理は、二つの切り紙モデルから一つの切り紙モデルを作成します。図形の重ね合わせは、地図モデルを作成するときの基本的な処理であって、コマンドROVLです。これらの図形処理では、切り紙の上下関係(奥行き関係)を考えて、上側(手前側)が下を隠す処理が基本処理です。上側の図形は、その外形線だけに注目すればよく、その外形線と下側の図形の構成線分との交差を求めます。表8.1と表8.2では、線分Aを外形線側としていて、その向きは図側を左に見るように回ると約束します。線分Bは切り紙の下側ですが、向きは、隠される側がどちらになるかの判定に必要です。線分が一直線に並んで、部分的に重なるとき、Aの下側に入る線分Bは、重なる部分を分割して、見えない部分を決めます。線分の交差計算と、可視・不可視の判定を使って、残す線分・削除する線分を選り分けます。
2008.8 橋梁&都市PROJECT

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