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8. 二直線の交点計算と応用

8.1 最も基礎的な算法


8.1.2 世界座標の範囲を決めておく

 具体的に数値を代入して交点の座標値を計算するときは、何かの直交座標系を考えます。その座標系の範囲、言い換えれば、その座標系がどの範囲(世界)を想定しているかについて、普通は、あまり深く考えません。現実空間の実体寸法を、仮に1mmを最小寸法単位とすると、±30mの範囲(60m四方)の座標値は、5桁までが扱える16ビットの符号付整数を当てることができます。平行であるとする条件は、60m先で1mmのズレが無い条件を考えることになり、これを長さと角度(ラジアン)のしきい値を決める根拠にします。角度にすると約20秒です。前後左右±30mの範囲を目いっぱいに使った図形を精度良く用紙に描くとすると、作図の解像度が0.1mmならば、少なくとも6m四方の用紙が必要です。これでは大きすぎますので、実用的な製図用紙の最大寸法として1m四方の用紙に作図することを考えます。製図に使うA0の用紙は、大体、その見当で使う最大寸法です。そのときは、作図対象の実体として1mmの寸法精度を持つ最大5m四方の寸法を考えることになります。この図形は、実体ではなく、幾何モデルで扱いますので、単位系を別に考えるとしますが、そうすると、世界座標の範囲は、幾何モデルの予想される最大寸法の5〜6倍になります。
2008.8 橋梁&都市PROJECT

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