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7. コンピュータグラフィックスの基礎

7.2 座標系とカメラの概念


7.2.5 正投影図は組み合わせて利用すること

 三次元図形から二次元図形への投影変換は、幾何学的には次元数が一つ下がります。これはカメラを通して見ている三次元の像の奥行き情報が失われるからです。正確に立体図形の情報を伝えるためには、複数の投影図を組みにしなければなりません。自動車・航空機・船舶の模型を表すときに使う三面図の使い方がそうです。正投影図を組み合わせる方法は、図学的に二種類、第一角法と第三角法です。日本とアメリカの工業製図基準は第三角法を規定していますが、ヨーロッパでは第一角法を決めています。ISO(国際標準化機構)でも、行きがかり上、両方の顔を立てているのが現状です。正投影図を作成するとき、どの座標軸方向から見るか、そのときのカメラの向き、を決めて置かないと、場合によると左右が逆の品物に理解されることがあります。この決め方は、理屈よりも感覚的に理解するのが早道です。これは前の第6章、図6.1を参考にして下さい。
2008.7 橋梁&都市PROJECT

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