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7. コンピュータグラフィックスの基礎

7.1 投影法の原理


7.1.3 図学原理的に忠実な投影法は第一角法になる

図7.2 透視投影法の原理を示したイラスト

 投影法を扱う学問としての射影幾何学は、光を当てて、物とその影の図形の性質を扱います。物が実体を持つ針金のような線ならば、投影面に影の線で得られます。幅や厚みのある実体の場合にはシルエットになります。図学で扱う第一角法は、シルエットではなく、光が当たる側から見た図形を、物の向こう側に置いた投影面に描く原理です。作図技法的に考えますと、見ている対象物の図を、対象物の後ろ側に置いた用紙に描くことになりますので、感覚的に混乱します。眼で見た対象物を写す場合、眼の前にガラスを置いて、そのガラス上に図形を写す方法で図を描く原理が透視投影法(perspective projection)、通称でパースです。作図原理的に言うときは中心投影法(central projection)と言います。絵画に応用するときは、日本語は遠近法です。投影は図学の用語ですが、これを数学的に扱うときは射影、または投象の用語を使いますので、紛らわしいところがあります。
2008.7 橋梁&都市PROJECT

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