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5. 土木工学と曲線

5.2 二次曲線と三次曲線


5.2.3 定数間に別の条件が要ること

 二次式を図形的に分類すると、楕円・放物線・双曲線の種類があります。円は楕円の特殊な場合です。式の表す曲線が楕円・放物線・双曲線のどれになるかは、前の段落に示した一般化した二次式の、6個の定数間に何かの条件があるためです。簡単な例を挙げます。三角形の外接円は、三角形の三頂点を決めれば一意に決まります。頂点の座標は(x,y)の二成分を持ちますので、座標成分の個数は6です。したがって、代数的に考えれば、任意の6個の数値が6個の条件になりますので一意に円が決まります。しかし、三点を通る楕円となると、無数の楕円を描くことができますので、何か別の条件を決めなければ楕円を表す式を決定することができません。「6個の定数の値を適当に決めれば何かの曲線を表す式になる」のではありません。描けない場合も起こります。円の式を「x2+y2+f=0」とすれば、fが正の数の場合には実数座標系では円は存在しません。
2008.5 橋梁&都市PROJECT

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