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5. 土木工学と曲線

5.2 二次曲線と三次曲線


5.2.2 連続梁の理論が応用されること

 数学的な高次曲線で任意の曲線を表す方法を詳しく研究しても、曲線当てはめは一種の近似技術ですので、数式が複雑になると、実用になりません。中学・高校までの数学では二次式までの曲線の性質を習います。それも、放物線が主な教科対象であって、幾何学としてではなく、代数的な扱いに主眼があります。放物線は、「y=ax2+bx+c」の形で説明し、定数を3つ使います。しかし、このグラフを図形的に回転や移動をさせた場合の代数式は、「ax2+bxy+cy2+dx+ey+f=0」のような一般化した二次式の形になり、定数項が6個も必要になってしまいます。自由曲線を近似的に表すときは、有限個の中間点を決め、それを直線で結んだ多角形図形を丸めることを考えます。中間点で隣り合う曲線の接線を合わせる条件を考えると、中間点間の曲線に三次式までを使えば実用的に十分滑らかに見える全体曲線が得られます。そうすると、中間点で接線の向きをどのように決めるか、の問題になります。その解析には、構造力学で扱う連続梁の変形をモデルとします。上で説明した「しない定木」の材料は弾性的な針金であって、それを複数の中間点を通るように曲げることの理論モデルです。構造力学の勉強をしている人は直ぐに納得してもらえますが、応用数学理論的に扱うと、かなり理解が難しい解析になってしまいます。
2008.5 橋梁&都市PROJECT

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