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5. 土木工学と曲線

5.1 地球の上の作図


5.1.4 道順を教えるときにも世界座標と局所座標を使い分ける

 街中(まちなか)で人に道順を教えるときは、歩く距離をパラメータとして、曲がる方向(左右など)を指示します。この教え方は、歩く人自身の座標系(局所座標系)を使う方法です。向きが変わると、どちらを向いているかの世界座標系での方位が分からなくなることも少なくありませんが、正しく距離を踏まえ、曲がる向きを間違えなければ目的地に到達できます。この、道筋をたどる方法は、曲線を描くことと原理的に同じです。順に次の点を求めていく方法は、誤差も累加しますので、それを補正する理論的な裏づけが必要です。純粋数学理論に固執すると、誤差が出る手法を犯罪並みに嫌うのですが、工学的には誤差との付き合い方を弁えて応用します。測量学の参考書には、誤差をどのように扱うかの解説に、かなりのページ数が割かれています。
2008.5 橋梁&都市PROJECT

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