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3. 図形要素間の演算

3.5 積の約束


3.5.2 交換律が成り立たない場合がある

 算術的な掛け算「a×b」は、掛ける順序を変えた「b×a」と結果が同じです。これを交換律が成り立つと言います。べき乗「a^b」では、「b^a」が別の結果になりますので、式の表記のときに順番に注意します。ベクトル同士の積では、スカラー積(内積)は交換律が成り立ちますが、ベクトル積(外積)では成り立ちません。したがって、内積の演算記号に * を、外積には ^ を当てることにしました。ベクトルの成分を使って内積・外積を求める計算式は高校数学で説明がありますので、ここでは省きます。外積は、座標系の定義と密接な関係を持っています。積の順序を逆にすると、向きが反対の結果になります。平面ベクトルの外積では符号が反対になります。この符号は、平面座標系に対して追加のz座標軸を考えた三次元の座標が隠れていて、z軸の正負側の向きを区別しています。「向き」は位相幾何学的な性質ですので、代数学的にベクトルを扱うときには符号の正負で使い分けます。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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