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3. 図形要素間の演算

3.4 加算と定数倍


3.4.3 スカラー倍は原点を中心とした相似な図形変換であること

 同じベクトルを2度加算することに代えて、2倍するのがスカラー倍の表し方です。この演算を逆に見ると、ベクトルの長さを1/2にすることですので、この考え方を拡張すれば、任意の正の実数を使うベクトルのスカラー倍の約束が得られます。ベクトルは、始点が原点にある線分の性質を持ちますので、スカラー倍は、図形的には、原点からの座標位置(距離)をすべてスカラー倍することです。線分の場合は、スカラー倍と加法とは別の演算の約束です。スカラー倍は、原点からの距離をすべてスカラー倍しますので、始点の位置も原点からスカラー倍の距離に移動し、結果として原点を中心とした相似な拡大または縮小する図形変換です。他の図形要素のスカラー倍も、加算法の拡張で説明することには無理がありますので、すべての要素の原点からの距離(座標)をスカラー倍する相似な図形変換と定義することにしました。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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