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3. 図形要素間の演算

3.3 代入文の解釈


3.3.4 図形要素の代表点を考える

 線分・直線・平面・円・球などの図形要素の位置を言うとき、或る代表点を考え、補足的に他の性質を考えます。円と球は、中心点がその型を代表する点ですので、半径データが追加の説明データです。他の図形要素の場合でも、個別に代表点を考えてみます。矩形と直方体は、その中心を代表点とします。線分は2点で定義しますが、向きを持つ性質を考えて、始点と終点で構成します。そうすると、線分の代表点を始点とするのが自然です。二次元の直線・三次元の直線・三次元の平面の場合には、その図形要素上にあって、原点から最も近い点の座標を計算し、それを代表点(基準点)とします。変換行列は、座標軸を構成するベクトルと原点の位置ベクトルとを持つデータ型ですので、原点の位置ベクトルが代表点です。代入文「A=B」の演算則は、感覚的に設計します。
  • Aを点の型の変数、Bをその他の変数の型とする代入文「A=B」は、Bの代表点をAに入れます。ただし、点には、一次元・二次元・三次元の種類がありますので、代入は次元の変換も行います。一次元の点の型は明示してありませんが、実数型と整数型の変数は、一次元の直線座標上にある点と考えることができます。次元の変換は、図学的には投影変換になります。
  • 点は、計算幾何学的に座標値で与えると、位置を指定するデータであると同時に原点からその位置までの向きを持ったベクトルの性格を持ちます。代入文の右辺値Bに点の型を使うと、左辺値Aの代表点を点Bの位置まで並行移動をさせると約束します。ただし、直線・平面の型は、点Bを通るように並行移動させると約束します。この代入の約束には、左辺値が既に決まった値になっていなければ意味がありません。変数名が最初に使われるときは、表3.1に示す初期値を持つとした処理を先に行います。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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