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3. 図形要素間の演算

3.3 代入文の解釈


3.3.3 代入規則を感覚的に設計する

 代入文は数学式の形を持たせますが、「イコール記号を使う表現が何を意味するか」を感覚的に想像してみます。日本語の環境で、「A=B」の表現は、「AはBと同じである」、または「BがAになる」と文字並びとは逆順に解釈します。前者が数学の等式の言い方、後者が代入文に当たり、何がしかの変換操作があることを含みにした言い方です。ここで、「円が四角になる」と「四角が円になる」と言うときを、円の型を表す変数Cと、四角を表す変数Rを使って「R=C」「C=R」と記号表記に変えます。これが「何の変換操作をするか?」を感覚的に想像して下さい。素直な解釈は、「円を囲う四角を描く」「四角を囲う円を描く」ことです。GBASICの代入文は、このような感覚的な変換操作を定義しました。例題として、第2章の図2.5を見直して下さい。そこでは、球の型Sと直方体の型Bとを使った代入文「B=S」「S=B」が交互に使われていて、それぞれに、外接する方の変数を順に求めています。GBASICでは16種類の変数型を定義してありますので、単純計算で256通りの代入文が考えられます。全部の約束を覚えておかなくても、感覚的に「こうなるだろう」と見当を付けて使えるように考えました。間違った場合にはエラーメッセージを出すようにしましたので、そのときに、必要があればマニュアルを参照すればよいのです。感覚的に使うとなると、代入文の文法を、代数式のようにイコール記号の左右を1対1で対応させるだけでなく、グループ対グループに対応する表現も工夫できます。この書式は、頭にLETを付けて、例えば、下のように表記します。
   LET A,B,C=D,E,F
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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