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2. 図形要素の代数的表現

2.4 簡易投影法


2.4.3 球と正六面体とが自然に見えるようにする

 平面幾何学では円の作図は必須です。図形を扱うときは矩形が基本的な図形要素です。GBASICは、立体幾何学も扱いますが、平面力学の円と矩形からの類推として球面と直方体を図形の基本要素に加えることにしました。球は、どちらから見ても円に投影するべき対象ですが、斜投影の原理に忠実に作図すると楕円になってしまいます。したがって、あまり斜角を大きくしないで、楕円で描くべき球の投影を円で近似させて妥協します。同じように、正六面体を斜投影すると、投影面に平行な面は正しく正方形になりますが、その他の面は平行四辺形に投影されます。そこで、球に内接および外接する正六面体を同時に斜投影して、見た眼に不自然にならないような斜投影を考えます(図2.5)。その方法は、z軸の向きを45度方向とし、x-y-z座標軸の長さの比を(1:1:0.3178)にします。この数値は(√3-√2)です。z軸の向きは平面図形上では左下向きです。視点の位置を三次元空間で考えると、+X, -Yの領域で、或る高さ+Zから下向きに原点を狙う斜投影です。立体感覚が少し狂いますが、座標軸の記号約束をx→y、y→z、z→xのように読み替えると現実空間の感覚に合わせることができます。

   10 REM BoxandSphere
   20 DEF3SP S
   30 DEF3BX B
   40 CLG
   50 K=10
   60 FOR I=1 TO K
   70 S=B
   80 B=S
   90 NEXT I
   100 END
図2.5 球と正六面体を交互に内接させた図とそのGBASICプログラム
2008.2 橋梁&都市PROJECT

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