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3. 図形要素間の演算

3.2 代数式の解釈


3.2.2 数学書の表記法にこだわらないこと

 数学書に書いてある数式は、なるべく無駄を省くことが洗練された表現法であると評価される傾向があります。つまり抽象化です。積の記号×を省くのがその一つであって、例えば、Newtonのf=mα、EinsteinのE=mc2が例です。記号化は論理の筋道を効率的に説明する便利さがありますが、自己流の暗号化が過ぎると、読まされる方が大変です。コンピュータが読んで理解でき、また人が読んでも理解できる表現法は、数学書の表記とは違った約束でも差支えがありません。幾何学的要素の点・直線・平面間には代数学的な加減乗除の算法が約束できません。逆に、(+ - *)などの記号を使う代数学的な表記方法に、幾何学的な意義を持たせることを考えます。点や線分は、ベクトルの性格がありますので、代数学的なベクトルの算法を応用することができます。しかし、代数学では、ベクトル同士の積にはスカラー積だけが使われます。幾何学的な意義を持つベクトル積も必要ですので、その積を表す演算記号を約束します。何を当てるか? これは恣意的に決めることになります。記号を使わない場合には、関数副プログラム作るなどの解決策も考えられます。結論から言うと、GBASICでは、アクセント記号^をベクトル積の演算記号に当てました。これは、実数のべき乗記号としての使い方の拡張定義としました。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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