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3. 図形要素間の演算

3.2 代数式の解釈


3.2.1 代数式は文章を記号化した表現であること

 日本語の文字表記は、横書きも縦書きもできます。縦書きでは文字列を右から並べます。欧米では文字に表音文字のアルファベットを使いますので、漢字のような、意味のある単位を表す文字種がありません。そこで、スペルの短縮表記や、1文字または或る複数の文字並びに意味上の約束を付け、記号と組み合わせて文の代わりにする簡易記述方法が使われるようになりました。数学式、化学式などがそうです。そのため、式をそのまま言葉で言うときと、最初から文章化した文で言うのとの違いがあまり大きくなりません。しかし、式に直すことは、暗号化・符号化(encode)することになりますので、式の意味を解読(decode)または翻訳(translate)する必要が生まれます。代数式は、変数や定数を加減乗除の記号で繋ぐ表現です。べき乗や論理演算などには別の記号を考えます。数学書では変数や定数に1字を当てる習慣ですので、大文字・小文字・斜体・太字などで区別し、ギリシャ文字まで動員します。同種類の変数や定数を区別するときは、下付きや上付きの文字を右や左に付ける、などの工夫をします。この表記法は、文字種を眼で見て区別しなければなりませんので、声に出して読む表現法ではありません。コンピュータに指示する目的を持つ文字表記も、音声で伝える目的を持ちませんが、人が読んで理解できる構文が工夫されます。ただし、最近の高級プログラミング言語では、英字の大文字と小文字を別の文字として区別しますので、眼で見て確かめながら読む言語の性格が強くなりました。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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