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2. 図形要素の代数的表現

2.3 線分・直線・面の表し方


2.3.3 直線からの距離が簡単に計算できること

 前のページの式(2.1)は、最右辺を0と置いた等式です。この意義は、二次元の点の座標(x,y)を代入したときに0になることを条件とする式です。したがって、その条件を満たす(x,y)が直線上に載ることを意味しています。この式を直接利用するときは、xを与えてyを求める、または逆に、yを与えてxを求めます。しかし「ax+by+c」に任意の点の座標値を代入すると、f(x,y)は常には0となりません。この値は符号を持ちますので、その正負は、直線に対して、その点が相対的に左右(または上下)の領域に在ると判定することに利用できます。いま、(a,b)の大きさが単位ベクトルとなるように同次式を整理すると、f(x,y)は、その点の直線に対する符号付距離が得られます。単位ベクトルv=(a,b)は、その直線に直交する法線ベクトルであって、法線ベクトルの向く方の領域を正の領域と約束します。この約束を外延して、直線そのものの向きの正負を決めます。それは直線の正の向きに向いて、左側を正の領域と約束することで合わせます。したがって、法線ベクトルの指す方向が左です。この関係は右手系になっていて、直線の向きをx軸に合わせると、法線方向がy軸です。
2008.2 橋梁&都市PROJECT

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