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2. 図形要素の代数的表現

2.3 線分・直線・面の表し方


2.3.1 線分は図形要素と考える

 幾何学的要素として考える直線は、無限に連続する直線上の位置を指す概念であって、実体はありません。図形として線を描くときは、或る有限の長さの、眼に見える実体を持った点の集合を考え、線分(line segment)と言います。線分は、両端点の座標を与えて定義します。この両端点は線分に含まれる要素です。上で説明した位置ベクトルは、デフォルトとして、始点を座標系の原点とした線分と考えることができます。一般的な線分も、ベクトル的に考えて、始点と終点とで定義しますので、向きの約束を持ちます。向きは、位相幾何学的な性質です。線を描くときの描き順を指定するときなどに意義を持ってきます。幾何学では有限長さに切った線分の他に、半直線を使うことがあります。始点は決まっていますが、終点は作図範囲の外に出て遠くにあるような線分を指します。無限に遠くまで延長していると考える概念上の直線も、作図範囲内で表示するときは作図枠で区切られた線分として表示します。
2008.2 橋梁&都市PROJECT

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