目次ページ  前ページ  次ページ

2. 図形要素の代数的表現

2.2 点とベクトル


2.2.2 点は次元を持つ量である

 平面幾何学の点は(x,y)の二成分、立体幾何学の点は(x,y,z)の三成分を扱います。その出発として一次元の点(x)も必要ですが、表2.1に示す実数と整数とを概念的に一次元の点として場面に応じて解釈します。点は、幾何学的には位置を示す概念です。座標系を使うことで、原点からの距離を表した量になります。距離は、普通、方向と共に正の数で表すのですが、代数的に言うときには座標軸に正の向きの約束をした上で、符号つきの数で言います。座標幾何学とは、符号つきの距離を扱うので、従来の幾何学と区別するときの呼び方です。座標値は座標軸に平行な向きで距離を表します。これを座標系の原点から、点の位置までを有向線分で結んで、位置ベクトル(vector)としても理解することができます。つまり、データ型としては点であっても、同時に、線分の性質を持つ量としての顔を持ちます。
2008.2 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ