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2. 図形要素の代数的表現

2.2 点とベクトル


2.2.1 複数の数の組を扱う約束が必要

 平面幾何学の点は(x,y)座標系を考え、二つの数の組(成分)をデータとします。普通のコンピュータ言語を使うときは、一つの点に実数2個単位の配列を宣言します。データを確定するには代入文を使い、逆に中身を知るためには、プリント文を使います。データの代入は、イコール記号を使って、例えば「A=3.5」のような代数式表現を使います。コンピュータ言語ではこの形式を代入文と言い、式とは言いません。数学的には「A=3.5」と、「3.5=A」とは等式と言い、意味的には同じ扱いです。コンピュータ言語の場合には、イコール記号の左右を区別して、左を左辺値、右を右辺値と言い、右辺値を左辺値が取り込む処理を表します。右辺値は変化を受けませんが、左辺値は値が変わります。この処理のデータ流れの向きは、文の順序とは逆に右から左になります。これは英語の構文規則を根に持つ約束ですので、ときに理解が混乱することがあります。代入文は1回に1データですので、複数個を組みにして代入するときに面倒な手続きになります。COBOLや古典的なBASIC言語では、代入文の書式にはLET文がありました。この形は、「LET A=3.5」のように使うのですが、LETを省く表現が普通になりました。GBASICでは、LET文を採用しています。ただし、例えば、英字名Pを二次元の点の型として宣言した後で、「LET P=2.5, 3.2」のように使うことができます。また、LETを省く「P=2.5」は普通の代入文であって、点Pのx座標に2.5を代入する約束にしました。
2008.2 橋梁&都市PROJECT

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