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1. 座標系と長さの概念

1.4 コンピュータグラフィックスの座標系


1.4.3 グラフィックス装置の制御

 図を実際に描きだす装置の原点は、科学技術の測定器に使っていたレコーダとCRT(通称でブラウン管:Cathode Ray Tube)です。レコーダは、ペンの位置を電圧に比例させて移動させます。作図精度は、数値的には有効数字で3桁程度しかありません。精度を上げ、また平面上をペンが自由に動ける作図装置では、ペンの座標位置をデジタル量で制御するプロッタの開発が必要でした。同じ動作原理で工作機械をデジタル量で制御する方法も研究開発され、こちらは数値制御(NC: Numerical Control)の工作機械と言いました。現在ではCAM(Computer Aided Manufacturing)の用語を使います。コンピュータのモニタは、初期にはアナログ方式のテレビ用CRTを使いました。これは解像度(resolution)が悪いので、CRTを高性能化した専用の高精度のデジタルCRTが別に開発されました。コンピュータ側から見るとき、これらの作図装置は外部装置です。装置そのものの直接制御は、装置側で決めた座標系を使う命令です。そうすると装置の違いに合わせて個別にプログラミングしなければなりません。この不便を避けるため、ユーザ側の制御命令を装置側の制御命令に変更するソフトウエア(デバイスドライバ)を間に挟みます。デバイスドライバは作図装置のメーカ側がコンピュータ側のOSに合わせて提供してくれます。モニタも同じく外部装置ですが、コンピュータでは必須の装置ですので、そのデバイスドライバは組み込みで使えます。グラフィックスのプログラミングでは、この装置の特徴、特に座標系の定義方法と使い方を心得ておかなければなりません。
2008.1 橋梁&都市PROJECT

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