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1. 座標系と長さの概念

1.4 コンピュータグラフィックスの座標系


1.4.2 ウインドウの概念

 普通のカメラは、どの範囲が写るかの範囲を見るファインダがあります。これは、のぞき窓を通して外の世界を見ることになぞらえて、コンピュータグラフィックスではウインドウと言います。マイクロソフト社が、コンピュータのOS(オペレーティングシステム)の商品名にWindowsを使い、また、モニタ画面の枠も通称でウインドウと呼びますので、用語の混乱が起こっています。このこともあって、Windowsシステムで使う通称のウインドウの方をフォーム(Form)と使い分けます。いまここでの説明は、コンピュータグラフィックスで使う方のウインドウです。この窓が、世界座標のどの範囲を見ているかを指定し、その範囲を擬似的なフイルムに記録する、と考えます。コンピュータグラフィックスでは、フイルムに当たるのがデータファイルです。通常の写真フイルムには物理的な撮影範囲の寸法があります。例えば、35mmカメラでは36×24mmです。コンピュータグラフィックスでは横:縦の寸法比(アスペクト比)だけを考えます。35mmフイルムを使うカメラは、横長で3:2です。因みに、標準のテレビ画面は、4:3、ハイビジョンテレビでは16:9、A4版用紙を横に使うと1.4:1です。ウインドウを決めるときは、世界座標の中での矩形範囲の寸法で指定します。この決め方は種々の流儀があります。筆者が使っている方法は、ウインドウの矩形枠を世界座標の座標軸と平行に置き、カメラレンズの光軸が狙う世界座標(Wx,Wy)と、横方向の幅(Ww)の3数値で指定します。フイルムの横:縦寸法比は、デフォルトで4:3にしました。
2008.1 橋梁&都市PROJECT

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