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14. アーチ橋の計算

14.4 水平反力影響線の計算式


14.4.6 バランスドアーチは固定アーチの性質がある

図14.10 永代橋(撮影:白井裕)
 東京隅田川の永代橋は、下路のタイドアーチ橋として紹介されています。力学的に言うと、アーチリブ全体は三径間連続桁になっていて、中央径間がタイドアーチとなっています。左右の連続桁部分は、側面からの写真では高欄の水平線と同じに見えます。歩道を歩くと、アーチリブが連続していて、車道と歩道との分離帯を構成していることが分かります(図 14.10)。中央径間部分のアーチリブは、水平反力を受けますが、この水平反力はタイドアーチのタイで釣り合わせてありますので、側径間は通常の曲げ部材として機能しています。このような連続桁形式を、バランスドアーチと言います。中央径間に注目すれば、このアーチリブは、単純な二ヒンジアーチと固定アーチとの中間の性質を持っています。つまり、側径間に伸びたアーチリブは、支点の位置で不静定の曲げモーメントを受けます。ここでは側径間のリブが弾性的な回転に対して回転バネのような作用をするとして計算します。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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