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13. 連続桁の計算(続)

13.2 連続梁の計算に使う力学モデル


13.2.4 スラブは幅員方向で連続桁と考える

 道路橋の鉄筋コンクリートスラブの設計は、単位幅のスラブを考えて、これが幅員方向の連続桁になっていると仮定します。鋼橋も、またコンクリート橋でも、主桁を並べた桁橋構造では、主桁位置を支点と仮定します。トラス橋では、主桁に代わって縦桁位置を支点とします。主桁を並べる場合、隣あう主桁の相対的な撓み差が大きくならないように、適当な間隔で横桁を配置します。床版が主桁上で単純支持になっていると仮定することは、主桁位置での局部的な変形に対応させる考え方です。スラブは主桁上で連続となるように施工しますので、実際設計では、この個所は負のモーメントを考えます。橋の幅員は支間に対して相対的に短いので、普通、橋の断面形は、偏心載荷で全体が回転するとしても、横方向に変形することを考えません。しかし幅員方向で横桁が弾性変形することを考えることがあります。これが格子桁の計算法の出発です。横桁の解析モデルは、主桁がバネ支承であるとした連続桁です。解析の応用は、支点での反力、つまり主桁への荷重分配にあって、横桁の応力と変形の計算には使いません。剛性が相対的に低い縦桁と鉄筋コンクリートスラブの構成では、縦桁が受け持つ路面上の荷重は、スラブの荷重分配作用を計算しません。これが(1,0)分配です。スラブも、バネ支承の影響を考えない方が危険側の見積もりになります。格子桁の分配係数の計算は、エクセルSoft" INFSGRODV0.xls "として独立にまとめてあります(第6章参照)。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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