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13. 連続桁の計算(続)

13.2 連続梁の計算に使う力学モデル


13.2.2 実践的には等断面・等径間の仮定を使うこと

 連続橋の構造解析は、計算条件の選択範囲が多様ですので、標準的な計算方法の提案がし難い嫌いがあります。既設橋梁の再現設計の場合には、活荷重による応力と変形の概略が計算できればよい、と妥協して、条件を単純化した連続梁の計算法を紹介します。第1の仮定は、主桁断面を等断面とします。昭和31年(1956)の道路橋示方書に準拠していた時代、鋼張力鋼が普及していなかったため、フランジ幅や桁高を細かく変えることで経済的な断面を設計しました。鋼張力鋼が利用できるようになって、断面寸法を同じにし、応力度の高低に対応させるには材料の方を変える、いわゆるハイブリッド(hybrid)構造が多く採用されるようになりました。連続トラス橋も、曲弦トラスに代わって、平行弦トラスが多く見られるようになりました。第2の仮定は、等径間の連続梁とすることです。中規模の一般的な連続桁橋または連続トラス橋は、架設地点の地形条件などを考慮して径間比を決めるのですが、特別な理由がない限り、外見として等径間で設計します。都市高架の自動車専用橋に見るように、三径間単位で連続橋を並べ、二径間連続橋と単純橋を組み合わせて必要な径間数を構成します。三径間連続橋で中小河川を渡す個所、跨線橋、跨道橋では、中央径間を側径間よりも幾らか長くする設計が見られます。この場合、中央径間比として(1:1.5:1)よりも大きくすることをしません。この比率(1.5)は、ディビダーグ工法で、独立したT状の2橋が連続する場合の比率として見られます。中央径間の中央にヒンジがあり、構造形式はカンチレバー橋です。連続梁形式を採用し、この比率を中央径間で大きくすると、死荷重によっても端の支点で負(浮き上がり)の反力が生じる可能性があります。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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