目次ページ,  前ページ,  次ページ

12. 連続桁の計算

12.5 応力の影響線


12.5.9 床組みの設計は連続桁の設計を踏まえている

 連続桁構造は、不静定ですので、死荷重応力の大きさは架設工法によって変化しますし、完成後も実情は良く分かりません。桁を縦横に組み合わせた格子状の構造は、床組みなどで普通に見られます。丈夫さを意図して曲げ剛性の大きな桁を組み合わせると、力学的な拘束が大きくなって、僅かな変形でも大きな応力が発生して亀裂が出る、などの不都合なことが起こります。適度なしなやかさを持たせることで、全体が馴染む実用的な構造物が実現できます。構造設計のときは、横桁を剛な断面とし縦桁をその上で単純支持させる仮定か、連続桁とするかの選択があります。鉄筋コンクリートスラブは、床桁で支えた二方向スラブとしの計算するのですが、連続桁の考え方を入れて、床桁上では負の曲げモーメントを検証します。個別の桁を考えるとき、交差する支持桁の個所を支点とする連続梁と仮定します。支点位置で桁の撓みを0とする仮定を主に使いますが、格子桁モデルは、支点個所で弾性的な撓みを考えます。この計算法は、第6章で解説しました。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ