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12. 連続桁の計算

12.5 応力の影響線


12.5.3 弾性荷重法で変形を計算する

図12.10 端モーメントを受ける梁
 構造力学の公式集には、梁の支持条件の相違と荷重の種類に応じた計算式が集められています。しかし、梁の曲げモーメントの分布から撓みと撓み角(撓みの一階微分)を求める計算式は紹介されていません。実は、梁のたわみの計算に弾性荷重法と言う方法があります。曲げモーメントの分布を、あたかも荷重分布のように扱い、この分布荷重による単純梁の曲げモーメントを計算すると、これが梁の変形になることを利用します。ただし、このときの荷重は、曲げモーメントを梁の曲げ剛性で割ったM/EIの形を使うことから、弾性荷重の用語が使われます。計算原理は、(撓み・曲げモーメント)(曲げモーメント・荷重)の関係を表す二階の微分方程式の形が相似になっていることに注目します。等分布荷重による曲げモーメントの計算式は、一定の曲げモーメントを受ける梁の変形式と相似です。三連モーメント式を利用するときは、端支点で曲げモーメントが作用するときの梁の変形を求めますので、三角形分布をした荷重による曲げモーメントの計算式を利用します。図12.10に示した単純梁の力学モデルを考えると、支点での撓み角と梁の変形とを下の式で計算します。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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