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12. 連続桁の計算

12.5 応力の影響線


12.5.4 荷重項の計算を必要としないこと

図12.11 三連モーメント式を扱うときの静定基本系
 橋梁では移動荷重による最大最小応力の計算をするため、最初に影響線を求めます。死荷重は静的な荷重ですので、影響線を計算しない方法でも応力計算ができます。普通は、影響線の面積計算値を利用して計算書をまとめます。不静定力の影響線を計算するときは、静定基本系に不静定力だけが作用し、不静定力の作用方向の変位成分を求めるだけの弾性条件式を求めます。一般的な多径間連続梁から連続した二径間を取り出して、不静定の支点モーメントと支点での撓み角との関係を図12.11に示します。この図を見るとき、モーメントの正負、変形の正負についての約束を理解しておきます。曲げモーメントは内力ですので、桁に支点上で仮のヒンジを挿入した場合、支点上で左右の曲げモーメントの対を考えます。曲げモーメントは、梁を下向きに曲げる向きを正とし、撓みは、下側に撓む向きを正とします。中間支点上での左右桁断面の相対的は角度の開きθは、左右の桁変形の、接線角度の差です。符号は図12.11のように開く向きが正です。死荷重などの外部荷重が作用すれば、その分で生じる撓み角を計算するのですが、この計算成分を荷重項と言います。影響線の計算では、荷重項の計算を必要としません。弾性条件式を下に示します。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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