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12. 連続桁の計算

12.3 連続桁の構造上の課題


12.3.3 桁端で起こるその他の問題

 一般論として、橋桁の端部は、橋軸方向の変位と同時に、桁の撓み角が変化することが問題になります。鉄道橋では、レールで上下方向の勾配の急変を緩和させています。道路橋では、従来、自動車の荷重も走行速度も大きくなかったので、簡単な櫛の歯状の伸縮目地構造が採用されていました。桁端で、力学的な支点位置間または橋台のパラペット間の距離が大きいと、この個所でタイヤの輪荷重が、桁端の張り出し部分を越えるとき、いわば飛び乗り・飛び降りのような衝撃的な作用が起こります。この部分は、騒音や振動の発生源になるだけでなく、路面に局部的な破壊を起こすなど、橋の管理者を悩ます問題になります。ガス官や水道管を併設するときは、伸縮と回転に対応させる構造に工夫が必要です。今は昔話になりましたが、電話線のケーブルが橋の支点付近で断線する事故が頻発し、電話線の維持管理で問題になりました。細い銅線の束ですので、変形能には十分対応できると思われたのですが、僅かの撓み角変化でも、ほとんど24時間繰り返して作用しますので、疲労で破断に繋がった事故でした。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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