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12. 連続桁の計算

12.2 連続桁橋の構造


12.2.2 曲線橋は箱断面連続桁で設計される

図12.7 静岡県七滝(ななたる)ループ橋
 橋は真っ直ぐな線形で架設するのが基本です。しかし、都市高速道路などでは曲線に沿わせる橋桁を架設する需要が多くなります。I断面の橋桁で扇状の単純な曲線橋に構成すると、捩れ剛性が大きくないことと、曲線の外側に載る荷重が桁トルクの作用をするだけでなく、橋全体を静力学的に転倒させるように働きます。これを解決する構造は、捩れ剛性の大きい箱桁を使い、連続桁形式にすることです。平面的に見て、少なくとも3点で曲線桁を支えれば、静力学的な転倒のことを考えなくて済むからです。立体的な曲線形を持った梁の解析は、それまでの構造力学では扱わなかった立体的な梁の応力と変形問題です。基本的な知識として、立体幾何学的な位置関係の理解がないと、部材の製作も組立てもできません。この問題の詳しい解説は、別にまとめます。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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