目次ページ,  前ページ,  次ページ

12. 連続桁の計算

12.2 連続桁橋の構造


12.2.1 捩れを持たせるために幅が必要であること

図12.6 三径間連続箱桁橋(ケルン-ドイツ橋,1948,132+184+121m)(出典不詳)

 簡単な橋の代表が、杉材のような真っ直ぐな丸木をそのまま梁として使う丸木橋です。一本の丸木を渡したのでは幅が狭くて実用になりませんので、二本を並べ、横梁を張って通路にします。丸木の横間隔を或る程度に広げないと、左右での撓み差で生じる捩れが大きくなって、通路として不安定になります。したがって、長い支間を渡したいときは、橋幅も相対的に広くします。鋼やコンクリートを使う単純桁橋の場合であっても、感覚的に理解できる常識があって、支間と幅員との比は、約5:1よりも大きくできませんでした。同じ幅員で、より長い支間を渡したいときは、橋全体として捩れ剛性が大きくなる構造にしますが、その一つがトラスです。支間と幅員との比は、約10:1程度まで大きくできます。桁橋の形式では長い支間を渡すことに限度がある、と言う常識を破ったのは、戦後、ドイツで架設された鋼箱断面連続桁のケルン-ドイツ橋(1948)です。この橋は、種々の点で橋梁工学に大きなインパクトを与えたのですが、特に、大きな箱断面に構成することの製作・架設の技術と、力学的な理論解析が新しい研究課題となりました。箱桁構造はPC橋でも採用されます。いずれも、より長い支間を外見では桁橋として渡すための工夫があります。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ