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12. 連続桁の計算

12.1 ゲルバー形式の構造


12.1.4 支点の不等沈下の影響を避けた構造になること

図12.5 昭和大橋の落橋(撮影:倉西 茂)

 桁を連続構造にすると、不静定構造です。死荷重応力は、架設の工法次第で変わりますので、架設時に、理論に合わせるような調整が必要です。完成後も不確かさが残ります。日本では、中小支間の橋梁に連続桁構造が敬遠されていた理由は、不静定構造の計算が面倒であることの他に、橋台や橋脚の不等沈下が珍しくありませんでしたので、部分的に応力度分布が過大になることを避けることも考えにありました。単純橋を並べるのは最も経済的です。しかし、新潟市の昭和大橋(図12.5)が1964年の新潟地震を受けて、ドミノ倒しのような落橋が醜態をさらしたことも教訓となって、構造力学的な連続桁の設計も増えてきました。特に都市部の高架橋や高速道路橋では、伸縮目地を減らし、車両の走行性を挙げるために、積極的に採用されるようになりました。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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