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12. 連続桁の計算

12.1 ゲルバー形式の構造


12.1.1 用語の説明から始めます

 一単位で固有名詞を付けた「何々橋」と言うときは、幾つかの橋桁(、けた:ガーダー;girder)が、見かけ上、連続した全体を指します。単純橋を連ねる場合もあり、中間を大きな橋にする、なども普通に見られます。橋の全長(橋長)は、橋台端のパラペット(parapet wall)から他端のパラペットまでの内側長さです。橋桁の全長(桁長)はそれよりも狭くなりますし、力学的な支点間の距離(支間;span)は、さらに狭く設定します。橋の下側に確保される空間の中、長手方向の長さを純径間(clear span)と言いますが、橋台や橋脚の幅がある分だけ狭まります。設計上の一単位の橋桁は、独立した一つの力学系(システム)で扱うものを指します。単純桁は、一つの支間だけを渡す構造です。連続桁は、一続きの橋桁で複数の支間を渡す構造を言います。個別の支点間の長さを、単に径間と言い、三径間連続桁のように言います。用語としてのトラスは、漢字を当てるときはと使いますが、横構、対傾構などのように多目的に利用されますので、主構造はカタカナ語のまま使います。マクロに見て、トラスを力学的に桁として使うとき、トラス桁とも言います。(はり;beam)の用語は木造建築の用語として普通に使われる言葉です。意義としては、単一の材料、例えば木材、で横梁のように使うときの言い方です。構造力学で扱うとき、単純梁連続梁のように言います。桁と言うときは、幾つかの部材を組み合わせて梁の機能を持たせた構造のときに言うのが約束になっています。なお、漢字としての梁と桁は、単独には訓読みで使います。これらは常用漢字外ですので、一般向けの文書ではひらがな書きも見ます。しかし専門書の中でも常用漢字以外の漢字を利用しないで「橋りょう」のような書きかたを主張する人がいます。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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