目次ページ,  前ページ,  次ページ

11. 小径間吊橋の計算(続)

11.2 支点反力の計算


11.2.4 水平反力の増分Hの作用を加算する

 不静定力である水平反力の増分Hは、引張軸力Hdを受ける梁に負の等分布荷重に変わって載荷します。式を判り易くまとめるため、等分布荷重q=1が作用するときの剪断力分布を先に求めておきます。剪断力は、式(10.13.1)の微分形で得られ、支間中央に対して逆対称の図形です。x軸の原点を支間中央に置いた場合の式は、

 水平反力の増分Hの作用は、上の式でq=−8FH/L2を代入し、集中荷重の移動位置xPでの値をHの影響線で置き換えます。xを応力の注目点、xPは集中荷重の作用点の意義です。xを変数としたのが剪断力図、xPを変数とすると剪断力の影響線です。数値計算では、これを表またはマトリックスで表します。ただし、剪断力は集中荷重の作用点の左右で不連続ですので、数値計算では数表の表し方を少し特殊にしました。なお、xを含む式の形が座標原点の定義で変わりますので、ここで紹介する式は、力学的な概念が式の上で判断できるようにしてあります。数値計算のときに、この違いを吸収するように処理していますので、例題のエクセルSoftを参考にして下さい。
2010.2 橋梁&都市PROJECT

前ページ,  次ページ