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10. 小径間吊橋の計算

10.5 水平反力の影響線を計算する式


10.5.3 水平反力の増加分Hの影響線を求める

 水平反力増加分、不静定力Hの影響線は、10.2節に言葉で解説しましたが、実用する計算式を下にまとめます。ここでは、U(x)に乗じる係数の意義が分るように表しています。最初がケーブルの水平力が等分布荷重に変わる項、二番目は単純梁で考える撓みの剛性部分、三番目がケーブルの伸びです。

 この水平反力の増加分Hによる補剛桁の曲げモーメント図と撓み図とは、式(10.21)と(10.22)で計算します。この実際計算をマトリックスの演算で行うときは、ベクトルの二項積(dyad)の考え方を応用します。この計算には、MS-EXCELの関数MMULTを使います。式の形は、下のようになります。

 上の式の表現で、左辺のM(i,j)、W(i,j)はマトリックスです。右辺のU(i)、V(i)はベクトルです。そして、角括弧〔 〕でくくった二つのベクトルの並びはマトリックスを表し、中身は二項積で計算します。この計算は、MS-EXCELのマトリックス関数MMULTを使って(1列N行の配列)×(N列1行の配列)の計算を行わせ、結果を(N行N列)の配列に納めます。
2010.1 橋梁&都市PROJECT

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